切手の歴史~海外、日本の切手の始まりを知ろう~

ケンジ

切手が本格的にスタートしたのって具体的にいつ頃なんですか?
1840年、イギリスが始まりと言われておるぞよ。

切手先生

切手の歴史:海外

現在と同じように「郵便切手」を使った郵便制度が始まったのは1840年、イギリスが発祥と言われています。

近代郵便の父

その郵便制度を生みの親がこちらのローランドヒルという人物。

ローランドヒル

MEMO
ローランドヒル(1795~1879)イギリスの近代郵便制度を生み出した創始者で「近代郵便の父」として世界中の人々から尊敬されている。

世界で最初の消印

実際に郵便切手や最初の消印(マルタ十字印)を考案したのはジェームズ・チャルマーズ(1782~1853)という人物で、ローランドヒルに提案して実現化に繋がったという説があります。

ブルーペンスとマルタ十字印【出典:郵政博物館】

赤いハンコの跡が分かると思います。これが世界で最初の消印、マルタ十字印と言われるものです。

世界で初めての切手

世界で一番最初に発行された切手はヴィクトリア女王(1819~1901)が図柄になっています。

「1ペニー」と「2ペンス」という名の2種類の切手で、名は額面の金額を表しています。

ペニー・ブラック
ペンス・ブルー
画像を見て頂けると分かると思いますが、黒と青とで色に違いがありますよね。

そのことから1ペニーの切手を「ペニー・ブラック」、2ペンスの切手を「ペンス・ブルー」と呼ばれるようになり、これらの呼び名のほうが世界的に有名になりました。

この当時発行された切手は、裏面にのりは付いていましたが、現在の切手にあるような目打ちが無かったのも特徴のひとつです。

つまり当時は1枚1枚ハサミやカッターでバラ切手に切り離していたことになりますね。

そう考えるとかなり面倒な気がします・・・。

目打ち
シート切手からバラ切手に切り離す時にあるミシン目のこと。この技術があることで、綺麗に切り離すことが出来る。

また、王冠模様のすかし入りの用紙を使用したり、凹版印刷を行うなど、お札にも匹敵するくらいの偽造防止対策をしっかり行われていたようです。

ペニー・ブラック、ペンス・ブルー共に10万円以上の買取価格が見込めます。超プレミア切手と言えますね。

ケンジ

ちょ・・・。めちゃくちゃプレミア切手じゃないですか!?
そうなんじゃよ・・・。ワシも欲しいわぃ・・・。

切手先生

ケンジ

この当時は切手ブームにはならなかったんですか?
切手ブームとまではいかなかったみたいじゃが、切手の収集を楽しむ人達はいたようじゃ。実際、1841年ロンドンの新聞「ザ・タイムズ紙」に、切手の提供を願うという意味の広告が掲載されていた事例があるらしい。

切手先生


ロンドンタイムズ(1788年12月4日付けの記事)【出典:Wikipedia】

ケンジ

へー!切手エンジョイ勢ですね?
なんじゃその言い方は(笑)当時の切手収集は女性に人気があったらしいの。今みたいにストックブックやアルバムに保管するんじゃなくて、家の壁や天井に切手を貼りつけるというのが流行ったらしいんじゃ。壁に貼るには、1万ほどの切手でも足りない!という声もあったらしいのじゃ(笑)

切手先生

ケンジ

えええ(笑)どんだけっすかぁぁ(笑)
このようにヴィクトリア女王を図柄とした1ペニー、2ペンスの切手は一般の人々に受け入れられていったというわけじゃよ。熱心に切手を集める女性達のことを「ヴィクトリアの首集め」とも呼ばれたりしたそうじゃ。

切手先生

ケンジ

ヴィクトリアの首集め!?な、なんだかすごい言い方に聞こえますね(笑)
ふぉっふぉ。そうじゃのう。

切手先生

切手の歴史:日本

ケンジ

日本の切手歴史はいつからなんですか?
日本は1871年じゃ。

切手先生

日本近代郵便の父

前島密

MEMO
前島密(まえじまひそか)1835~1919 日本の郵便制度を築いた人物で、「日本近代郵便の父」と呼ばれる偉人。1円切手の肖像になっている。

1871年(明治4年)郵便制度がスタートします。

ケンジ

イギリスはローランドヒル。日本は前島密ってことですね?
そういうことじゃ。前島密の後任となった杉浦譲という人物も有名で、日本の郵便事業成功に大きく影響した人じゃ。

切手先生

イギリスが1840年スタートなので日本は31年遅れて始まったということになりますね。

前島密の後任を継ぎ、実際に日本郵便事業を実施したのが杉浦譲(すぎうらゆづる1835~1877)という人物で初代郵政大臣になった人です。

日本初の切手:竜文切手

竜文切手48文

杉浦譲が考案し、日本で一番最初に発行されたのがこちらの竜文切手

「文」という通貨の単位を見ても歴史を感じますね。

1871年(明治4年)に発行され、額面は48文、100文、200文、500文の4種類。

よく見ると竜の絵が描かれているのが分かりますか?このことから竜文切手と呼ばれています。

印刷用紙は薄い和紙。

イギリスで初めて発行された事例と一緒で、切手には目打ちがなく、さらに裏面にのりもついていませんでした。

買取価格参考
48文:20,000円、100文:20,000円、200文:30,000円、500文:40,000円となっており、とても価値が高いのが分かりますね。

竜銭切手

翌1872年(明治5年)、通貨の単位が「銭」に変わります。

そこで新たに発行された切手がこちらの竜銭切手。

竜銭切手1銭

竜文切手の作成時とは違い、初めて切手に目打ちが付けられました。

この1銭に記載されている漢字は壱(いち)という字で旧字です。

パソコン等でもこの字は出てきませんし、現代の日本人でもなかなか読める人は少ないのではないでしょうか。

1872年(明治5年)に発行され、額面の種類は半銭、1銭、2銭、5銭の4種類。

竜銭切手が流通した後期には裏面にのりも付けられるようになり、進化していきます。

買取価格参考
半銭:12,000円、1銭:45,000円、2銭:65,000円、5銭:80,000円となっており、竜文切手よりも価値の高いというのが分かります。

ケンジ

竜銭切手・・・欲しい。まず名前がカッコいいですね。
ふぉっふぉ。「銭」という単位も珍しいからのぅ。その後1883年(明治16年)、「円」の単位が開始され、切手も円で表されるようになったんじゃよ。

切手先生

ケンジ

へぇー!

~おわりに~

いかがだったでしょうか。

世界、そして日本国内の切手の歴史を少し感じて頂けましたか?

現在まで、日本国内の切手は全部で3,000種類以上あると言われています。

もし古い切手を持っていて、切手の売却を検討しているのであれば切手買取専門業者で無料査定を行うのをおすすめします。

買取業者選びも重要になってきますね。

 

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