ケンジ
僕の勤務している会社の事務員さんが切手を貼る時にペロッと舐めて貼る姿をよく見るんですが。あれって見ていてあんまり気持ちの良いものじゃないんですよね・・・。その気持ちも分からなくはないんですけど。ただ、それ以前に切手を舐めることって体に害は無いんですかね?
確かに気持ちの良いものではないよな。ただ、ワシもそうやって舐めて貼ったこともあるから。ついやってしまう気持ちも分かるよな。切手を舐めることでの健康への被害か?先に結論を言ってしまうと、切手を舐めても健康への被害は無い!だから大丈夫じゃ!
切手先生
ケンジ
おお、そうなんですね!
うんうん、じゃあなぜそう言い切れるのか?歴史に沿って解説していくとするぞ
切手先生
竜文切手:のり無し
これは日本で初めて発行された竜文切手じゃ
切手先生
ケンジ
確か、この当時の切手は裏のりはついてなかったんですよね?
そうじゃったのう。その後発行されたのが竜銭切手じゃ
切手先生
竜銭切手:発行後期から、のり有になった
ケンジ
たしか、竜銭切手が発行されて後期頃から切手裏のり有りになったんでしたっけ?
そう、このころから初めて裏のり有りになったんじゃ。
切手先生
ケンジ
先生、これ覚えてますよ!この前も教えてくれましたよね?今使われている切手の裏のりと、この当時使われている裏のりの成分とは違うんですよね?
なんじゃ・・・今説明しようと思ったとこじゃったのに・・・。
切手先生
ケンジ
あ・・・なんか・・・すんません。
・・・。それでの、この当時使われていた裏のりは、デキストリンという成分が入っていたんじゃよ。
切手先生
デキストリン
じゃがいもやトウモロコシに含まれる、でんぷんが元になった物質のこと。そもそもでんぷんとはブドウ糖のかたまりのこと。
デキストリンは、イメージで言うとでんぷんとブドウ糖の中間の状態のことで、人工的に作られたものです。
お菓子の裏面の成分を見てみると、「デキストリン」という表記を見た方はいるでしょうか?
そう、実は食品に含まれているものなんです。
しかも、デキストリンは食品添加物ではなく食品として扱われています。
デキストリンについて深く解説するのはここでは避けますが、結論、人体への悪影響は無いので安心です。
ケンジ
え?そのデキストリンって物質は体に悪影響は無かったんですよね?なぜわざわざ裏のりの成分が変更されたんですか?
デキストリンを裏のりとして使用するには欠点がみえてきたんじゃ。少しでも湿気があると、くるっと丸まり、すぐくっついてしまうんじゃよ。それで裏のりの成分を変えよう、ってなったわけじゃよ。
切手先生
デキストリン裏のりのデメリット
原料のでんぷんは湿気に弱く、切手が変形してしまい、必要としていない時に接着してしまったので扱いづらいという点がありました。
そこで1962年以降、切手の裏のりの成分が酢酸ビニル樹脂とポリビニルアルコール(PVA)という成分が切手の裏のりに使用されることになったんじゃよ。略して「PVAのり」と呼ばれているんじゃ。
切手先生
ケンジ
ほうほう。その「PVAのり」というのは舐めても大丈夫ってことですか?
そういうことじゃな
切手先生
PVAのり
酢酸ビニル樹脂とポリビニルアルコールとで作られた糊(のり)のこと。水分に触れると溶け、乾くと接着します。さらに、湿気に強く、無毒なので、切手を舐めても健康への悪影響なし。切手裏のりとしてこれ以上ない成分となりました。 酢酸ビニル樹脂の安全性について
チューイングガムのベースとなっているもので、胃腸の消化管内の消化酵素によって分解されません。
仮に分解されたとしても生体内では二酸化炭素と水とに変わるので、人体への危険性は無いとされています。
ポリビニルアルコールの安全性について
合成樹脂の一種で、別名「ポバール」。スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品にも使用されることが多い。
また、医薬品の錠剤やカプセルのフィルムコーティング剤としてよく用いられており、過去に人への何らかの有害影響があったという報告はありません。
ケンジ
へーなるほど!体に無害、しかも湿気にも強くて良いことづくめってことですね?
そうじゃのう。しかもこのPVAのりは日本で初めて作られたんじゃ。しかも現在でも全世界の切手に使われているんじゃ。
切手先生
ケンジ
それはすごいですねぇ~!嬉しくなっちゃいます。日本人として鼻が高いですね!
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