切手先生
ケンジ
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ケンジ
エラー切手とは？
エラー切手とは印刷ミスをしてしまった切手のことです。
現在では製造技術が高まり、厳重なチェックも行われるため、昔に比べエラー切手が出回ることは少なくなりました。
昔のエラー切手の中には希少価値の高いものが多く、現在の市場でも高値で取引されています。
※エラー切手と偽切手とは別に区分けしています。偽切手のことに関しては以下の記事を参考にしてみてください。
偽物切手を判別する方法は？
エラー切手の種類・呼び名
図案ミス
『図案ミス』切手とは、発行された切手が本来の図案と誤っている切手のことです。
文章ではちょっと意味が分かりづらいですね。
下の画像をご覧ください。
こちらの切手は1962年（昭和37年）6月10日に発行された北陸トンネル開通記念切手。
実はこの切手、本来あるはずの無いものが写真として写ってしまっています。
出典：スタマガネット
写真右の番号別に見ていきましょう。
- ケーブルの数：写真では数多くあるケーブルが実際はケーブルが2本だった。
- 電灯の位置：写真では電灯が中央に位置しているが、実際、電灯はトンネル横の壁についていた。
- 写真ではレール部が枕木になっているが、実際、レールはコンクリート床道に固定されていた。
- 本来あるはずの乗務員用ドアとはしご段が無い。
このように本来の写真と食い違ってしまった理由は、工事日程が遅れ、撮影した写真と完成予想図だけの原画を元に切手が作られたかららしいです。
先走って切手を作ってしまった・・・ということでしょうか。
電車マニアの方でないとそもそも気づきにくい切手ですね。
しかし、こうして間違い探しをしてみると、かなり大胆な間違いをしていることが分かりますね。
彩色エラー
『彩色エラー』とは、本来とは違う色で印刷されてしまった切手のこと。
有名な例がこちらの『3シリング・バンコの黄色』というスウェーデンの切手です。
本来、緑色の切手（画像左）のはずが、間違って黄色の切手（画像右）として印刷されてしまっています。
印刷機の取り換えミスによって生まれたとのこと。
この切手は、記事下のエラー切手ランキングで再度登場します。
なんと〇億円・・・。
逆刷エラー
『逆刷エラー』とは切手を印刷する際、印刷用紙を間違ってセットしたため本来の図柄と逆さまにプリントされた切手のこと。
こちらの切手は『カーチス（カーティス）・ジェニー』というアメリカで初めて発行された航空切手です。
左が通常、右が逆刷エラーです。
画像右は航空機が上下左右逆になっていますね。
発行日は1918年5月13日。
逆刷エラー切手の代表として有名になりすぎた切手で、通称『逆さまジェニー』と呼び名のほうが世間で知れ渡っています。
逆さまジェニーも、記事下のエラー切手ランキングで再度登場します。
こちらもなんと〇億円・・・。
印刷漏れエラー
『印刷漏れエラー』とは本来印刷される色が抜けてしまったままプリントされた切手のこと。
こちらは『ソメイヨシノ10円切手』。
こちらの印刷漏れは『ソメイヨシノ10円灰味紫印刷漏れエラー』と呼ばれています。
画像左に対して、画像右は印刷漏れしているのが分かると思います。
用紙裏表
こちらは参考画像がありませんが、切手の裏面に間違って印刷した切手のことを『用紙裏表』と呼びます。
目打エラー
切手の目打ち部分に、なんらかのミスがある切手は『目打ちエラー』と呼ばれています。
出典：wikipedia
こちらは1900年頃のコロンビアの切手。
本来あるべきでない目打ちの斜線が含まれているのが分かりますね。
無目打ちエラーペア
さらに細かく分類し、全く目打ちが見られない切手は『無目打ちエラー』と呼ばれています。
出典：趣味の切手専門店・マルメイト
こちらはアメリカ切手・星条旗15コイルのペア切手です。
本来、縦にあるはずの目打ちが無いですね。
このような切手を『無目打ちエラーペア』と言います。
無目打ちエラー田型
さきほどの無目打ちエラーペアに対して4枚綴りの切手が全て無目打ちになっている切手を『無目打ちエラー田型』と言います。
出典：切手の買取売却査定ナビ
こちらは『ソメイヨシノ10円切手・無目打ちエラー田型』。
余白の白部分が漢字の『田』の形になっているのがそう言われる理由ですね。
オフセンター
印刷が端寄りになっている切手のことを『オフセンター』と言います。
逆に印刷が切手の真ん中で、さらに余白とのバランスがとれている状態の切手を『ウェルセンター』と言います。
左がオフセンター、右がウェルセンターですね。
見比べてみるとその違いがよく分かります。
エラー切手高額ランキングTOP10
エラー切手として有名なものをランキングにしています。
※あくまで有名なものを挙げています。目安として参考にしてください。
10位：【1万円】五重塔30銭
出典：切手買取相場.COM
目打ちエラーの切手です。
写真中央部を見ると、目打ちがズレているのがよく分かります。
実際にオークションで11,500円で落札されました。
9位：【3万円】ソメイヨシノ10円印刷漏れエラー
印刷漏れエラーの項目でも登場したソメイヨシノ10円切手。
通常30円～50円（画像左）の切手がエラー切手（画像右）だと30,000円程の価値があると言われています。
出典：切手の買取売却査定ナビ
ちなみに、ソメイヨシノ10円無目打ちエラー田型。こちらは120,000万円で過去に取引されたことがあります。
8位：【4万円】ヒキオウガイ・オオイトカゲガイ
出典：切手買取相場.COM
無目打ちエラーの切手です。
横に入っているはずの目打ちが縦しかありませんね。
過去、オークションにて43,500円で落札されました。
7位：【100万円】第23回世界新体操選手権（ふるさと切手）
出典：日本郵便
平成11年9月27日に発行された第23回世界新体操選手権（ふるさと切手）。
画家のジミー大西さんが手がけたことでも話題になりました。
出典：切手買取相場.COM
写真右側と下側に目打ちがあるはずですが、目打ちが縦横共にありません。
たったこれだけのエラー品ですが、TV番組「なんでも鑑定団」で100万円と鑑定されました。
6位：【800万円】ニホンジカ（鹿の10円切手）100枚シート
1972年に発行された『ニホンジカ』の切手。
色抜けしているのが分かると思います。
通常が左、エラーが右です。
100枚シートのエラー切手がTV番組「なんでも鑑定団」で取り上げられ、鑑定額はなんと驚きの800万円・・・！
5位：【3500万円】竜文切手五百文
『竜文切手五百文』の逆刷エラーがこちら。
左が通常、右がエラーです。
なんとその価値3500万円・・・！
さらに実際市場に出回った場合、1億円以上の値がつくのではないか・・・！？と噂されています。
4位：【5600万円】孫文
出典：AFP BB NEWS
1941年発行の『孫文』（中国切手）。
孫文の顔の上に文字が書かれていますが、その文字が上下反対のエラー切手になっています。
2012年、香港で行われたオークションで552万香港ドル（日本円で約5,600万円）で落札！
中華民国（1912年～1949年）の切手としては史上最高値を更新しました。
3位：【？億】ブルー・モーリシャス
出典：バイセル
別名『ポストオフィス切手』と呼ばれるエラー切手がこちらの『ブルー・モーリシャス』。
推定価格なんと・・・1億円以上とされています。
切手の左部に書かれている文字に注目してください。
「POST OFFICE（ポストオフィス）」と刻まれていますよね。
その後、追加印刷された切手には何故か「POST PAID（ポストペイド）」と刻まれるようになりました。
追加印刷されたポストペイドの切手のほうが多く市場に流通したので、ポストペイドの切手が一般的に使用されることになった、とされています。
そのため、ポストオフィスの切手がとても希少なものとなり、現在までに発見された切手は27枚しかありません。
2位：【？億】カーチス・ジェニー
逆刷切手の項目でも登場してきた『カーチス（カーティス）・ジェニー』。通称『逆さまジェニー』。
左が通常、右がエラー。
世界で100枚程度しかない超レア切手とされています。
2005年開催のオークションで田型4枚のエラー切手が270万ドル（日本円で3億1,000万円）で落札。
もし本物であれば、バラで状態が非常に悪くても1,000万以上の買取価格は出るのでは？と予想されています。
1位：【？億】3シリング・バンコの黄色
彩色エラーの項目でも登場した『3シリング・バンコの黄色』。
通常が緑色（左）、エラーが黄色（右）です。
2010年開催、スイスで行われたオークションで740万ドル（日本円で6億8,000万円）の値がつきました・・・。
もちろんこの価格はエラー切手の過去最高額です。
信じられませんね・・・。
エラー切手の相場と高額エラー切手の条件
エラー切手の相場は未知数です。
とはいうものの、高額のつくエラー切手の条件というものはおおよそ見えてきましたね。
- エラー印刷だとはっきり区別がつく
- 保存状態が良い
- 市場に出回っている数が少ない
この3点が条件と言えるでしょう。
楽しみでもあり、落とし穴でもあるのが査定額。
高値のエラー切手だ！！と思って鑑定に出しても実は偽物だったということもあれば、こんな切手価値ないだろうな・・・と思っていた切手が思わぬ高値がついたり。
もし家に切手があれば、切手専門の買取業者に無料査定してみると良いです。
また、切手を高く売る方法やコツを知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
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