ケンジ
切手先生
目次
消印切手とは?
意外と『消印』についてよく分かっていない人もいますが、シンプルに言うと消印切手とは使用済み切手のことです。
一度使用した切手の再利用を防ぐために、印(しるし)をつけているんですね。
再利用防止のほかにも、消印は『いつ、どこで』押印されたのか分かるようになっているので日付証明にもなります。
消印切手の歴史
出典:スタマガネット
1870年(明治3年)前島密は、米国(アメリカ)が切手を消印する方法を採用していることを知ります。
1871年(明治4年)郵便創業。
このときから、米国のやり方をヒントに消印を使用することになったのが消印切手の始まりと言われています。
消印切手の価値
基本的には消印切手に価値は無いので、買取対象にならないケースがほとんどです。
しかし、元々価値が高いと言われるプレミア切手などは消印切手であっても買取対象となる切手も存在し、中には幻の消印と呼ばれる超レア消印もあります。
1872年(明治5年)以前の消印切手がそれに当てはまるのですが、プロの鑑定士でもなかなか見ることができないほどです。
また、買取対象となった消印切手は保存状態が査定額に響いてきます。
キズや汚れ、カビなど状態が明らかに悪い物、消印がくっきりと分からない物、封筒やハガキに切手がそのままついている物、これらは査定額が一気に下がる傾向なので注意しましょう。
詳細はこちらの記事で解説しています。参考にしてみてくだい。
切手を綺麗に剥がす方法は?切手の剥がし方を分かりやすく解説!
買取対象となる消印切手
実際に買取対象となる切手をいくつか紹介していきます。
参考例:日本のプレミア切手
見返り美人
出典:切手の専門店・ネット通販 日本郵便趣味協会
見返り美人はとても日本のプレミア切手として有名です。
未使用品も高額査定(3,000円~)が見込める中、実は見返り美人の初日印が押された消印切手は未使用品よりもさらに高値がつくと言われています。
見返り美人の発行日:1948年11月29日
※初日印・・・記事下に解説あり
桜切手
出典:TV TOKYO
テレビ番組「なんでも鑑定団」での画像で、明治時代の桜切手3種をそれぞれ鑑定してもらう時のものです。
写真一番右の切手は消印が押されているのが分かりますよね?
このとき鑑定された額はなんと・・・二十銭切手が2500万円、仮名の「ト」入りが650万円、同じく「チ」が850万円。
消印切手でもこれだけの評価額が出ることもあるんですね。
参考例:中国切手
赤猿
出典:FUKU CHAN
赤色の背景の中心にでかでかと描かれた猿はとてもインパクトがあり、切手コレクターでなくても知ってる方が多いのではないでしょうか。
未使用で状態が良ければ10万円以上の価値があるので消印切手も買取対象として十分狙えます。
オオパンダ
出典:切手買取業者徹底比較ランキング
中国切手を代表とする切手のオオパンダ。
1963年発行の切手が1次(3種)、1973年発行の切手が2次(6種)と分けられますが、1次のオオパンダ切手のほうが価値は高いとされています。
未使用で状態が良ければ1次切手1万円ほどの価値なので、消印切手の価値はどうなるか微妙なところではあります。
今回挙げた例はあくまで参考のものです。
もともと高額価値のある切手であれば、消印がついていても十分買取対象になります。
補足:各切手の種類、相場についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
第2回:高額切手は何種類あるの?コレ知ってるだけで査定で損しない!
使用済みだからこそ!価値が高い例も!
珍しいケースを紹介します。
出典:趣味の切手専門店・マルメイト
こちらは1964年開催の東京オリンピック大会の資金募集を目的に発行された「オリンピック東京大会募金切手」です。
この切手の消印切手がもしあれば、高値で買取してもらえる可能性があります。
というのは、当時オリンピックもさることながら日本で切手ブームが大旋風を巻き起こしていた時代と重なっています。
「今後値上がりするんじゃないか?」と目をつけた切手収集家が多く現れ、その人達は大量に切手を購入しました。
普通の郵便用として使用する人も当然います。
ですが、値上がり目的に購入した人の比率が多く、今では当時使用済みの消印切手のほうが希少性が高くなってしまったのです。
実際、現在ではこのオリンピック東京大会募金の消印切手がどれだけの査定額になるかは分かりませんが、査定が楽しみな切手の一つと言えます。
希少価値の高さを狙って未使用切手を保管していた人からすれば、とんだ的外れとなってしまいましたね。
消印の種類
消印にはいくつか種類があり、その消印によっては価値が高い消印もあります。
ではみていきましょう。
初日印
切手が発行された初日に押された消印のことです。
消印の中でもこの初日印は切手発行日のみ押印されるということもあり、高い価値があります。
満月印
切手の上下左右バランス良く中心に押された消印のことです。
満月印と言われる対象の線引きとしては、局・日付・時間帯活字などが全て読めることが基準です。
切手収集家の間でも満月印は人気があります。
エラー印
郵便局員が間違って押してしまった消印のことです。
上下逆の消印だったり、文字間違いなど。
希少性が高いエラー印だけを収集している人もいるそうです。
特印
正式には「特殊通信日付印」と呼ばれ、国の大きな行事を記念して使用される大型記念印のことです。
参考:直径36ミリ
出典:日本郵便
画像が小さくて分かりにくいかもしれません。
こちらは2015年3月13日のみ使用されたもので、北陸新幹線(長野・金沢間)開業記念に使用された特印(押印機)です。
小型印
正式には「小型記念日付印」と呼ばれ、こちらも国の行事を記念して使用される記念印のことです。
大規模行事には特印、小~中規模行事には小型印が使用される、と考えれば良いでしょう。
参考:直径33ミリ
出典:日本郵便
こちらは2018年11月17日~18日にかけて使用されたもの。
大阪市中央公会堂会館100周年記念の小型印です。
風景印
正式には「風景入り通信日付印」と呼ばれ、各地域の名所などが描かれている特別な日付印のことです。
出典:Wikipedia
神奈川県、鎌倉郵便局で使用されている風景印がこちらです。
大仏の存在感を感じさせる印ですね。
まずは切手買取業者に無料査定がおすすめ
以上、見てきたように一言で消印切手(使用済み切手)といっても色んな消印切手が存在することが分かると思います。
実際、一般人ではその価値が分かるはずもないですよね。
消印切手が多く出てきて処分しようと思っている方は、まず切手買取業者に査定してもらうのがおすすめです。
買取に至らなくても査定は無料で可能なのでこれを利用しない手はありません。
消印切手が売却できず断られた場合
寄付する
切手買取に至らず断られてしまい消印切手が大量に・・・。どうしよう。
となっている場合、寄付することで社会貢献に役立つことが出来ます。
興味のある方はweb等で各団体を調べてみてはいかがでしょうか。
ネットオークションに出品する
中には消印切手を中心に集めている!というコレクターも存在します。
一見、こんなの誰が欲しいの?と思えるような切手であっても、切手コレクターからすればどれだけお金をつぎ込んでも良いから欲しい!!というようなものがあるのも事実。
どこで需要が生まれるかは分かりませんよ。
まとめ
ケンジ
切手先生
- 買取りしてもらえる消印切手もあるので、価値がありそうであれば無料査定してもらうことがおすすめ
- 買取り出来なかった場合、寄付にあてたり、オークション出品してみるのもあり
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