今回は切手趣味週間の中から高値買取できるものを抜粋し、参考買取(売却)価格を画像付きで紹介しています。
切手趣味週間とは?
切手趣味週間(きってしゅみしゅうかん)
切手趣味の普及を促進する目的として1947年から始まった記念切手シリーズのことで、このシリーズは現代でも続いており、毎年4月20日を中心に発行されています。
ちなみに平成30年度の切手趣味週間の切手はこちら。
平成30年切手趣味週間 82円郵便切手
「風神雷神図屛風」(建仁寺蔵)
江戸時代の画家・俵屋宗達の風神雷神デザインを元に作られています。
そして切手帳がこちら。
30年・通常版切手帳(切手趣味週間)
1,250円(送料別)
切手を普段使わない・・・でも欲しい!という理由で購入する人も多いのだとか。
風神雷神の画はインパクトがあり、とてもかっこいいですよね。
切手趣味週間発行切手一覧をざっくり分かるようにまとめました。興味のある方は目を通してみてください。
買取対象の切手は太字、マーカーをしています。
1947年:葛飾北斎『山下白雨』の富士
1948年:菱川師宣『見返り美人』
1949年:歌川広重『月に雁』
1950年~1953年:発行なし
1954年:法隆寺観音菩薩像
1955年:喜多川歌麿『ビードロを吹く娘』
1956年:東洲斎写楽『市川蝦蔵』
1957年:鈴木春信『まりつき』
1958年:鳥居清長『雨中湯帰り』
1959年:細田栄之『浮世源氏八景』
1960年:三十六歌仙絵巻『伊勢』
1961年:『舞妓図屏風』の一曲
1962年:狩野長信『花下遊楽図』
1963年:『本多平八郎姿絵』の一部(通称「千姫」と呼ばれる)
1964年:源氏物語絵巻『宿木』
1965年:上村松園『序の舞』
1966年:藤島武二『蝶』
1967年:黒田清輝『湖畔』
1968年:土田麦僊『舞妓林泉』
1969年:小林古径『髪』
1970年:岡田三郎助『あやめの衣』
1971年:鏑木清方『築地明石町』
1972年:中村丘陵『気球揚る』
1973年:岸田劉生『住吉詣』
1974年:伊藤深水『指』
1975年:『松浦屏風』
1976年:『彦根屏風』
1977年:『機織図』
1978年:『寛文美人図』
1979年:『立美人図』
1980年:西川祐信『春の野遊図』
1981年:鈴木春信『見立夕顔』
1982年:鳥居清長『待乳山の雪見』
1983年:喜多川歌麿『台所美人』
1984年:東洲斎写楽『大谷鬼次の奴江戸兵衛』『岩井半四郎の乳人重の井』
1985年:竹久夢二『北方の冬』『朝の光へ』
1986年:菊池契月『南波照間』
1987年:橋口五葉『髪梳ける女』『化粧の女』
1988年:鳥居言人『長襦袢』『帯』
1989年:北野恒富『阿波踊』
1990年:太田聴雨『星をみる女性』
1991年:菱川師宣『見返り美人』、山川秀峰『序の舞』
1992年:山口蓬春『榻上の花』
1993年:堅山南風『画室にて』
1994年:福田平八郎『花菖蒲』
1995年:金島桂華『画室の客』
1996年:安田靫彦『窓』
1997年:奥村土牛『醍醐』
1998年:小林古径『罌粟』
1999年:堂本印象『兎春野に遊ぶ』
2000年:橋本雅邦『竜虎図』
2001年:中村洗石『郵便物投函の図』
2002年:『加茂競馬図屏風』
2003年:『羊木纈屏風』
2004年:森狙仙『雨中桜五匹猿図』
2005年:伊藤若沖『大鶏雌雄図』
2006年:円山応挙『朝顔狗子図杉戸』
2007年:森一鳳『猪図』
2008年:渡辺省亭『花鳥十二ヶ月図』『葡萄』
2009年:于非闇『牡丹蜂雀』、任伯年『牡丹』、金島桂華『牡丹』
2010年:橋本雅邦『龍虎図屏風』『花鳥図』、張善孖『虎』
2011年:豊原国周『郵便ノ使音吉』、梅堂国政『開化幼早学門』、三代広重『東京開化名所 四日市郵便役所』
2012年:『籬に草花図襖』、狩野山楽『龍虎図屏風』、狩野永納『春夏花鳥図屏風』
2013年:狩野元信『四季花鳥図屏風』
2014年:狩野永叔『梅桜小禽図屏風』『菊ニ鶴図屏風』
2015年:狩野探幽『桐鳳凰図屏風』
2016年:狩野永徳『上杉本洛中洛外図屏風』
2017年:尾形光琳『燕子花図屏風』
2018年:俵屋宗達『風神雷神図屏風』
さて、そんな切手趣味週間ですが『買取切手』という見方をすると、その対象となるのはやはり歴史の古いものが中心となってきます。
特に『見返り美人』と『月に雁』はとても有名で切手に興味の無くても知っているという方が多いです。
この2枚は切手単片でも買い取ってくれる業者がほとんどです。
『見返り美人』は単片2,500円、5枚綴りシート20,000円ほど。
『月に雁』は単片4,000円、5枚綴りシート30,000円ほどの買取額が期待できるというプレミア価格になっています。
今回紹介していないものでも美品でシート保存になっているもの等があれば高値買取も期待できるので、気になる方は無料査定を利用してみてください。
切手趣味週間(買取対象)画像一覧
1947年 『山下白雨』の富士 |
1948年 見返り美人 |
1948年 見返り美人小型シート |
1948年 見返り美人5連シート |
1949年 月に雁 |
1949年 月に雁5連シート |
1954年 法隆寺観音菩薩像 |
1955年 ビードロを吹く娘 |
1956年 市川蝦蔵 |
1957年 まりつき |
1960年 伊勢 |
1988年 長襦袢、帯 |
1989年 阿波踊 |
1999年 兎春野に遊ぶ |
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『山下白雨』の富士
葛飾北斎の、富嶽参六景「山下白雨」の富士の画がデザインされている切手で、1円切手が5枚セットになっています。
『山下白雨』の富士
発行年月日:1947年11月1日
額面:1円×5
- 普通品:120円~180円
- 美品:200円~300円
見返り美人
プレミア切手といえば見返り美人と呼ばれるぐらいに有名な切手です。
切手ブーム最盛期、誰もが憧れていた切手ですね。
菱川師宣作「見返り美人」の画が元となっています。
見返り美人
発行年月日:1948年11月29日
額面:5円
- 普通品:2,000円~3,000円
- 美品:3,600円~5,400円
- 使用済み品:1,800円~2,700円
見返り美人 小型シート
発行年月日:1948年12月3日
額面:5円
- 普通品:1,000円~2,000円
- 美品:1,700円~2,550円
- 使用済み品:1,400円~2,100円
見返り美人 5連シート
発行年月日:1948年11月29日
額面:5円×5
25,000円~30,000円
月に雁
見返り美人に次いで有名なのが月に雁。
歌川広重の画がデザインされています。
見返り美人同様、使用済み切手でもそれなりの価値があるのが特徴です。
月に雁
発行年月日:1949年11月1日
額面:8円
- 普通品:2,600円~3,900円
- 美品:4,000円~7,500円
- 使用済み品:1,900円~2,850円
月に雁 5連シート
発行年月日:1949年11月1日
額面:8円×5
28,000円~35,000円
法隆寺観音菩薩像
観音菩薩像の図柄は第2次動植物国宝切手シリーズのものと一緒です。
こちらの切手は発行枚数が他と比べて少なかったこともあり、切手収集家の間でも希少価値の高いものになりました。
法隆寺観音菩薩像
発行年月日:1954年11月20日
額面:10円×10
- 美品:8,000円~12,000円
- 使用済み品:7,500円~11,400円
ビードロを吹く娘
喜多川歌麿の浮世絵がデザインされた切手として有名なのがビードロを吹く娘。
法隆寺観音菩薩像とは逆でこちらは発行枚数が多かったため、そこまで希少価値の高いものにはなっていませんが、10枚綴りのシート買取価格が5,500円だったという事例があります。
ビードロを吹く娘
発行年月日:1955年11月1日
額面:10円
- 美品:560円~840円
- シート10枚綴り買取価格5,500円の事例あり
市川蝦蔵
東洲斎写楽の画「市川蝦蔵(市川えび蔵)」がデザインされた切手です。
実はこの東洲斎写楽という浮世絵師が評価され始めたのは大正時代から。
写楽が浮世絵を描いている当時はそこまで認められていたわけではなかったのです。
生涯を終えてから歴史に語り継がれるまで評価されることになるとは凄いことですね。
市川蝦蔵(いちかわえびぞう)
発行年月日:1956年11月1日
額面:10円
※東洲斎写楽の画から、『写楽』と呼ばれることもある切手です。
- 美品:480円~720円
- シート10枚綴り買取価格5,000円の事例あり
まりつき
鈴木春信の浮世絵「まりつき」がデザインされている切手です。
切手が美品であっても50円程度が相場のため、買取価値としては微妙ですがシート10枚綴りでの買取価格は400円の事例があります。
まりつき
発行年月日:1957年11月1日
額面:10円
- 美品:50円~100円
- シート10枚綴り買取価格400円の事例あり
伊勢
三十六歌仙絵巻の中の1枚がデザインされている切手で、小倉百人一首19番の伊勢姫が図柄となっています。
三十六歌仙絵巻(佐竹本三十六歌仙)は鎌倉時代のもので、絵巻の中で最も古い絵巻だそうです。
女性歌人の優雅さが描かれています。
絵の雰囲気がなんとも独特で、歴史を感じますね。
伊勢
発行年月日:1960年4月20日
額面:10円
- 美品:80円~120円
- シート10枚綴り買取価格900円の事例あり
長襦袢、帯
絵師、鳥居言人の「長襦袢(ながじゅばん)」と「帯」がデザインされている切手です。
切手左が長襦袢、右が帯となります。
長襦袢(ながじゅばん)とは和服の下着のことで、着物の下に着るというのが一般的です。
女性の美しさを表した作品となっていますね。
ガッターつきの切手が買取価値としては高くなっています。
シート上で隣合った切手の印刷されている面同士の間の空白部分のことを指します。
長襦袢、帯
発行年月日:1988年4月19日
額面:60円×2
- ガッターペア美品:50円~75円
- ガッターペア使用済み品:50円~75円
- 小型シート(さくらめーる賞品):120円~180円
- シート買取価格1,300円の事例あり
阿波踊
北野恒富の代表作品「阿波踊」がデザインされている切手です。
阿波踊りを美人画にあてはめるという、とてもユニークな発想から仕上がった作品は多くの人から評価されました。
日本国際切手展1989のロゴ入りガッターつきのものが買取価値が高くなっています。
阿波踊
発行年月日:1989年4月18日
額面:62円×2
- ガッターペア美品:50円~75円
- ガッターペア使用済み品:50円~75円
- 小型シート(さくらめーる):120円~180円
- シート買取価格1,300円の事例あり
兎春野に遊ぶ
堂本印象の「兎春野に遊ぶ」がデザインされている切手です。
日本国際切手展2001のロゴ入りガッターつきのものが買取価値が高くなっています。
兎春野に遊ぶ
発行年月日:1999年4月20日
額面:80円×2
- ガッターつき4種連刷美品:130円~200円
- ガッターつき4種連刷使用済み品:130円~200円
- ガッターつき2種連刷美品:60円~90円
- シート買取価格1,620円の事例あり
以上、切手趣味週間(買取切手)の参考価格となります。
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