ケンジ
切手先生
切手の偽物4つの呼び名
偽切手には4つの名前があります。
それぞれの意味を簡単におさえておきましょう。
- 模造:本物を真似て作られた切手のこと。
- 変造:本物の切手を加工して特別感を演出した切手のこと。
- 参考品:参考用に作られた切手のこと。切手裏面に「参考品」と記載がある。
- 偽造:切手コレクターでなく、郵便目的で作られた偽切手のこと。
切手コレクターやこれから切手を売却しようと考えている方がまず気を付けなければいけないのが模造切手。
そしてさらに判別が難しいのが変造切手です。
模造品は見る人が見れば見破れる可能性が高いですが、変造品は本物の切手に修正を加えたものなので判別が難しいと言われています。
変造品は切手コレクターを狙って騙そうとして作られており、その額も大きいため非常に悪質といえます。
切手の判別方法
現在の切手はブラックライトを当てると光ったり、彩文と呼ばれる模様があったり、お札と同じで簡単に偽造できないような技術で作られていると言われています。
しかし実際のところ、詳しい情報は分からず、現在の切手偽造防止にどんな加工を施しているかはっきりと公表されていません。
よって素人が切手の真偽を見極めるのは非常に困難。
また、古い価値のある切手は切手専門のプロ鑑定者がいるくらいなので当然素人にその判別は難しいとされています。
唯一、素人でも見分けられる部分があるとすれば『目打ち』くらいでしょうか。
切手はシート状で販売されているのが一般的です。
そのシート状態から1枚のバラへ簡単に切り離せるように切手の周囲に穴が開いています。
それを目打ちと言います。
本物の切手の目打ち技術はとても高く、真似するのは難しいと言われています。
目打ちを調べてみて、真っ直ぐでなく曲がっていたり、穴の大きさに違いがあったりと不自然な部分があれば偽物の可能性が高いです。
オークションで切手を購入するのは注意
切手収集を始めて、オークションを利用するという方も多いと思いますが、ネットオークションでの切手購入には十分気を付けなければいけません。
相場より価格が安いからといって購入したが、偽物だったというケースは少なくありません。
これらの画像は左から見返り美人(切手趣味週間)、月に雁(切手趣味週間)、赤猿(中国切手)、と呼ばれる切手です。
特に偽物が多く出回っているのが中国切手。
中国切手の中でも赤猿は多くの偽物が流通し、切手買取業界を騒がせました。
これら昔の切手はプロでも判別が難しく、明地の数、印刷、切手の細部を目視中心に鑑定するしか方法がないとされています。
鑑定書付きの切手であれば本物である証拠ですので、不安な方は鑑定書があるかどうかを購入の目安にするのをおすすめします。
偽物に高値がつく可能性もある
偽物というと価値が無いものと考えるのは当然ですよね。
しかし、切手の中には逆に偽物のほうが高値のつく物もあります。
「菊切手」偽造事件
過去に偽造事件が起きたことで有名な例として挙げられるのが『菊切手』です。
出典:趣味の切手専門店・マルメイト
こちらの画像は『菊切手1銭』。
区分:普通切手
切手コレクターの間でも人気のある切手のひとつ。
『菊=天皇家』の紋章で、天皇のシンボルマークです。
日清戦争や日露戦争など、戦の勝利を祝う時代に流通した切手で、切手の中央に大きな菊の図柄があるのが特徴。
菊切手の種類は15種類。中でも1銭、6銭、8銭、15銭、20銭の5種は希少価値が高く、現在でも高値で取引されています。
買取価格はバラ単位でも3,000円程度が見込めます。
状態が良いものであれば10,000円以上の価値も十分に見込める切手です。
そんな菊切手ですが、なんと偽物が数十万円の価値があると言われています。
その理由がこちら。
当時、菊切手の偽物が出回る。
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しかし、偽造された菊切手は郵便局員の活躍により早期発見されたため、ほとんど市場に流通しなかった。
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そのため、現在では流通量の少ない偽物の菊切手のほうがプレミアに!
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その後、切手の偽造防止策として「透かし無しの切手→透かし有りの切手」へと変化する。
偽造された切手が早期発見され、希少価値が高まったという、なんとも面白い時代背景がありますね。
TVでも話題になった菊切手
出典:TVTOKYO-なんでも鑑定団
こちらはテレビ番組「なんでも鑑定団」で2015年3月10日に放送されたときのもので、菊切手20銭の写真です。
鑑定結果はなんと・・・・・本物。推定価値は3,000円との評価でした。
『残念ながら本物です』という言葉は鑑定番組では珍しく、とても滑稽なシーンでした。
もしもこれが偽物であれば、いくらの価値がついたのか見てみたかった気もしますね。
参考:各切手の種類・相場に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。
第2回:高額切手は何種類あるの?コレ知ってるだけで査定で損しない!
切手バラバラ偽造事件
近年の切手偽造ニュースでは平成28年10月、東京都の郵便局でこのような事件がありました。
とある男性が切手の交換を目的に郵便局へ訪れる。
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額面350円の切手30枚(合計10,500円分)を交換依頼する。
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切手は台紙に貼られていたため局員が水に漬けて剥がそうとする。
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すると切手1枚1枚がバラバラとさらに別れ、分裂。
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分析した結果、使用済み切手を複製したものと断定、逮捕される。
使用済み切手の消印部分を切り取り、それらを別々に貼り合わせて複製したというものですが、その作業自体なかなか大変だったのではないか?とも思うのですが・・・。
切手の偽造は法律で固く禁じられているので注意しましょう。
まとめ
ケンジ
切手先生
- 模造品、変造品が世の中に出回っていることを知る
- 目打ちに不自然な点がないか見てみる
- 鑑定書付き切手であれば信頼度は高い
- 素人判断で真偽判別は難しいので、切手専門のプロに鑑定してもらう
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